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コラム:船場吉兆

火曜日, 11月 20th, 2007

偽装問題が止まない中、料亭の老舗がおかしてしまった偽装。

偽装に関する非難はエスカレートする一方だ。
偽装という行為そのものは許されるものではないのだが、不二家、赤福。
食中毒などの実害がないのに、経営自体が成り立たなくなるまで叩く行為には
怖さも感じるが、これもまた時代の大衆の感性というものだ。

京都吉兆の徳岡邦夫氏。私が料理人としてとても尊敬している方。
吉兆には老舗料亭としての匠が備わっていた。
徳岡氏は相手の期待に応え、それを裏切らない態度こそが重要だと言っていた
そして、時代の変化にも合わせ、お客の心をつかんできた。
彼はまさに感性の人。
同族経営の吉兆グループには、そんな匠の技があったのに…

「技」とはつかみと勘、全体性を要し、師匠の背中を見て覚えるしかない。
「技術」とは理論的で合理化と局所化が可能でマニュアルにして人に伝える
ことができる。
「技」は人を感動させ、「技術」は人を納得させる。

船場吉兆は、アナログ感性の時代に今、大衆が求めている「技」を忘れ、
デジタル感性の「技術」に奔り頼った。
これだけでも時代錯誤な商いであるにも関わらず、この「技術」で人を裏切っ
てしまった。

老舗料亭には匠の技とおもてなしがあったからこそ、そこに集う人々は高尚な
時を過ごす事が出来た。
今一度、船場吉兆は匠の技を取り戻すべきだ。
創業者、湯木貞一氏の極意を思い出さなければ、船場から老舗が消える事に
なる。

感性アナリスト   虎島秀一